ラジカル塗料は、正確には「ラジカル制御型塗料」と言います。
主成分がアクリル樹脂であるアクリル塗料や、
シリコン樹脂を主成分としたシリコン塗料などとは違い
ラジカル塗料は樹脂タイプに由来する名前ではありません。
実際のところ、ラジカル塗料には、アクリル樹脂ベースのタイプも
シリコン樹脂ベースのものも存在します。
ラジカル塗料の流通は
2012年より日本ペイント社が『パーフェクトトップ』という商品名
で開発・発売したことから始まりました。
塗膜の耐候性が高く長寿命のため、注目を集めつつあり、
「一番人気がある」と言われてきたシリコン塗装と並ぶほどです
そもそもラジカルとは何か?
「ラジカル」とは、外壁・屋根塗装の塗料に含まれている顔料に
酸素・水・紫外線などが触れることによって発生する劣化因子のこと。
つまり、ラジカルは外壁や屋根の塗膜が退化してしまう原因の一つで、
塗装された外壁の劣化でありがちな「チョーキング」
という現象を発生させます。
このラジカルの発生を制御する塗料のことを、
ラジカル塗料と呼んでいます
ラジカル塗料のメリット
チョーキングが起こりにくい
外壁に触れると、手にチョークの粉のようなものが付着する
「チョーキング(白亜化)」は、外壁の塗膜劣化現象の一つです。
経年劣化によって、塗膜に含まれる白色顔料(酸化チタン)が
外壁の表面に粉状に浮き出てしまうのが、「チョーキング現象」です。
このため、白や淡色で塗装された外装では、白色顔料の劣化が進み
チョーキング現象が発生しやすい傾向があります。
チョーキング現象が起きてしまった外壁は
塗り替えを行わなくてはいけません。
「ラジカル塗料」は、このようなチョーキング現象の発生を抑えるために
開発されているため、耐久力が高いのです。
防汚性、防カビ性に優れている
バイオ技術によって、藻やカビが付きにくいのも、
ラジカル塗料の特性。
日当たりがよくない北側の壁にも最適です。
また親水性にも優れているため
雨水による汚染を防ぐ力もあります。
コストパフォーマンス性が高い
ラジカル塗料は、機能の高さがほぼ同等のフッ素塗料と比較すると
1㎡あたりの価格が1,000円位安いです。
30坪の戸建て住宅の外壁全体を塗装するとなったとき
リフォーム費用が30万円近く変わりますから
高機能の外壁にしたい方にとってラジカル塗料は
かなりお得と言えます。
頻繁に塗り替えずに済むので、
長い目で見たらメンテナンス費用を安く抑えられるます
塗装時の光沢が持続
汚れに強く、変色がしにくいため、
塗装したときの光沢の持ちが良いのもラジカル塗料の魅力です。
なお塗料は最初に、「ツヤ有り」か「ツヤ消し」
いずれかのタイプで製造されますが
ツヤ有り塗料の場合は
光沢を加減して塗装することができます。
(最初からツヤ消しタイプとして開発された塗料には
光沢を追加することはできません。)
ただしツヤ有りの商品の光沢を抑える際には
本来は入れなくても良い添加剤(ツヤ消し材)を混ぜるため
塗料の耐久性がやや落ちてしまう傾向があります。
より汚れにくく長持ちする外壁にしたい場合には
ツヤ有り塗料の光沢をなるべく落とさず
施工してもらうことをおすすめします。
さまざまな下地と相性が良い
下地を選ばないため
ほとんどの住宅の外壁に使えるのもラジカル塗料の美点。
サイディングや、モルタル・コンクリート、木部やアルミなど
さまざまな素材に対して塗布できます。
色々な建築物に対応できるのは、かなりのメリットです